「この電線管にケーブルは何本入るのか?」は、現場でよく出る疑問です。
結論からいうと、管の内径とケーブルの仕上外径から断面積を計算すれば、物理的な占積率は求められます。ただし、VVF・CV・CVTなどの「ケーブル」とIV・HIVなどの「絶縁電線」では、内線規程上の扱いを同じように考えないことが重要です。
この記事では、収容本数を計算する基本式と、計算結果をそのまま施工本数にしてはいけない理由を整理します。
まず「電線」と「ケーブル」を分けて考える
PF管・CD管に絶縁電線を収める場合、メーカー施工資料では内線規程に基づく選定表が示されています。PanasonicのPF管施工資料では、異なる太さの絶縁電線を同一管内に収める場合、被覆を含む断面積の総和を管内断面積の32%以下とする考え方が示されています。
一方、VVF・CV・CVTはシースを持つ「ケーブル」です。絶縁電線用の32%ルールを、ケーブルへ機械的にそのまま当てはめて「この本数までOK」と断定しないようにしましょう。設計仕様、施工方法、曲がり、引替え性、メーカー資料なども確認します。
収容率を計算する基本式
円形の電線管と円形ケーブルを、幾何学上の占積率として比較する場合は次の式を使えます。
管内断面積 = π × 管内径² ÷ 4
ケーブル断面積 = π × ケーブル仕上外径² ÷ 4
占積率 = ケーブル断面積の合計 ÷ 管内断面積 × 100
例えば、内径28mmの管なら内断面積は約616mm²です。外径14.5mmの円形ケーブル1本なら断面積は約165mm²なので、幾何学上の占積率は約27%になります。
ただし、これは「形状から見た占積率」であり、そのまま施工基準への適合判定になるとは限りません。
PF16・22・28の内径
未来工業のミラフレキSSでは、代表的な近似内径は次のとおりです。
| PF管 | 近似内径 | 内断面積の概算 |
|---|---|---|
| PF16 | 16mm | 約201mm² |
| PF22 | 22mm | 約380mm² |
| PF28 | 28mm | 約616mm² |
呼び径と実際の内径・外径は製品で確認してください。管種やメーカーが変われば寸法も同じとは限りません。
「入る」と「通せる」は違う
断面積計算で余裕があっても、長い配管や曲がりが多いルートでは入線抵抗が急に大きくなります。さらに、ケーブルは外径だけでなく硬さや許容曲げ半径も施工性に影響します。
- 直線距離が長い
- 90度曲がりが多い
- 複数ケーブルを同時に引く
- CVTのように外形が大きく硬い
- 将来の引替えや増設を考える
このような条件では、計算上ぎりぎりの管を選ばず、1サイズ以上余裕を持たせる方が施工しやすいケースがあります。
VVFは平形なので外径だけでは計算しにくい
VVFは円形ではなく平形です。SFCCの仕様例では、VVF1.6mm-2心は約6.2×9.4mm、2.0mm-2心は約6.6×10.5mmです。平形ケーブルは管内で向きが変わるため、単純に「幅×厚さ×本数」だけで最大本数を断定するのは危険です。
→ PF管サイズの選び方|PF16・22・28の考え方はこちら
電線管・ケーブル収容の関連記事
具体的なケーブル別・管サイズ別の確認は、次の記事もあわせて使うと判断しやすくなります。
→ PF管にVVFは何本入る?PF16・22・28とケーブル寸法の見方
→ CV・CVTケーブルに必要な電線管サイズは?外径から選ぶ手順
→ 電線管の占積率32%・48%とは?計算式と使い分け
→ PF16・PF22・PF28の内径・断面積早見表
→ PF管サイズの選び方|PF16・22・28の内径とVVF/CV配管の考え方
まとめ
電線管への収容本数は、まず管内径とケーブル仕上寸法を確認し、断面積で占積率を計算すると整理しやすくなります。ただし、絶縁電線とケーブルでは扱いが異なり、ケーブルの収容本数は計算値だけで決めないことが重要です。
最終的には、現行の電気設備技術基準・内線規程、設計仕様、メーカー資料、施工ルートを確認して管サイズを選定してください。







